前回より『いつかのセッション』について語っています(2回目)。
本作は登場人物達の30代後半での出来事をドラマにしています。
そのため社会人として「職業」を各々持つことになります。本作では主要登場人物の「阿井美雪」の職業が明記されています。前作の『まちぶせ』も40代初頭が舞台ですので職業について触れられていてもよいのですが、作中に明記されていません。ですので今回初めて登場人物の職業にフィーチャされた形となりました。
「阿井美雪」については、学生時代も「三ッ編」をトレードマークとした特徴あるファッションでした。大人になった彼女も、やっぱり独特なファッションで周囲から少し浮いた存在として描かれています。上の絵が作中挿絵での美雪です(作画「ごまドレッシング」)。性格や言動にもクセがあり、非常に個性的なキャラクターとなっています。それでも高校時代(昭和シリーズ)の頃の人物像が投影されており、ここまでの成長ぶりが想像の枠を拡げ、物語に深みを持たせています。学園ドラマから群像劇に変化しているためか、昭和シリーズとは著者(紺藤)の文調も大きく変化しています。
次回はちょっと戻って『まちぶせ』の話をします。
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