2016年9月26日月曜日

天真爛漫59号と60号

『天真爛漫59号』の総括的な話です。
久しぶりにナイスな会誌ができたのではと、私なりには満足している号です。
先号の58号が酷すぎたからかもしれません。
しかし歴代の号と見比べて、新しい世代の活躍がめざましかった点は、これまでにない部分でした。
以前から表紙を飾ってくれていた「ごまドレ」氏が正会員として、力のこもった表紙絵を提供してくれたのをはじめ、同じく「来原」氏も精力的に作品をだしてくれました。
これまで20年近く同じ顔ぶれで発行し続けてきた本誌に、新しい風が吹き込んできたのです。
本誌の発行には、いろいろと意見がありました。
紆余曲折があったのですが、それでも発行を続けてきて、よかったと感じています。
私達の原点が、ここにあるのだと再認識しました。
「ごまドレ」「来原」、これからもよろしくお願いします。

さて、ただ今『天真爛漫60号』を編集中です。
まだイラスト系や1枚原稿は間に合います。
会員の皆さま、是非とも原稿のほどお願いします。
なお、編集作業も11月5日に行います。詳しくはお近くの役員まで尋ねてください。
(イラストは『天真爛漫59号』誌中よりイラスト。作者は来原です)

2016年9月6日火曜日

漆黒の花輪(3)

前の記事より引き続きです。
先にも述べましたが、『漆黒の花輪』は「雲シリーズ」の登場人物が出ています。
「雲シリーズ」とは、紺藤氏の連作小説群のことで、天真爛漫59号では『羊雲』を掲載しています。
このシリーズの中でも、かなり頻出するキャラクターが主人公です。
作中では名前が出てこないのでハッキリとは分かりませんが、紺藤氏に取材した際に、主人公は『阿井美雪』であることを明かされています。この『阿井美雪』は、先の『羊雲』にも登場しましたし、『積乱雲』や『星祭り』では主役級の働きです。彼女が成人して選んだ職業が「私立探偵」。今回の話中でも、事件の解決を依頼された私立探偵として描かれています。
さて、もう一人の黒ずくめの少女ですが、この少女も紺藤小説の登場人物なのです。
「天真爛漫」51号および53号で掲載された『神楽伝』の準主人公「八坂野弥呼(やさかのみこ)」です。姿形はこの頃からなにも変化していません。ですが、さすがは来原氏。当時とは全く違った弥呼像を描いてくれています。妖しさは抜群、私など足下にもおよばぬ描写ぶりです。
さて、次回はいったんこの話から離れて、59号全体の話をしたいと考えています。
(イラストは『天真爛漫59号』掲載「漆黒の花輪」の挿絵、来原氏のイラストです