2016年7月20日水曜日

羊雲の話(4)

今回も紺藤さんの作品、小説『羊雲』についての記事です。
3版にわたって、この物語の佳境は同じシーンです。
主人公の浩子が空の羊雲を見つめて独白するところです。
初版と2版では、浩子は台詞を用意していたかのように訥々と語ります。
3版では羊雲を見上げて思いついたように語ります。
一見、雲の形にかけて、人と人のつながりのあり方を説いた様な言葉です。
ですが、よく読んでみると浩子の複雑な心境が雲に投影され、刹那く語っているようにも見えます。
2版まででは、明確な台詞立てやアクションが伴いません。
3版で初めて第三の登場人物の美雪によって、浩子の揺れる感情が語られています。
そういった意味では、大改稿によって、ずいぶんと読みやすくなっているのでは、と感じました。
今回の絵は、当会主力の「ごまドレ」が『天真爛漫』59号にて発表したものです。
クライマックスにふさわしく、浩子達の青春グラフティーを鮮やかに描き出しています。
さて、次回の更新では『羊雲』を一旦離れて、同時掲載された「雲シリーズ」である『漆黒の花輪』(しっこくのかりん)について紹介します!

2016年7月11日月曜日

羊雲の話(3)

久しぶりに羊雲の話です。
先般より記事にしている通り、この作品はリメイクされた作品で、3回目の『天真爛漫』への登場です。
著作者は紺藤さんお一人なのですが、カットは初版と第2版では私(M和田)が担当、第3版目の今回は「ごまドレ」がすばらしいカットを提供してくれています。
実は、同じシーンのカットが3通り存在しています。
ただし物語の構成上、主人公の立位置が少し違いますが・・・
一番上が、先にも紹介しました「ごまドレ」のカット。
二番目が平成10年に私が第2版で提供したカット。
一番下は昭和62年に私が初版で描いたカット。
私の歳がばれてしまいますが、年代も正直に書いています。
あぁ・・・あきらかに私のカットはおかしいです・・・撃沈
(「白さ」では勝っていますが・・・)
今回、「ごまドレ」に描き直してもらって、本当によかった。
私の黒歴史が闇に葬り去られます。
ちなみに、私のタッチは、今とは大違いです(へたなのは、同じですが)。
さて、次回も羊雲の話を続ける予定です。

2016年7月4日月曜日

忘れてました!

すみません!
うっかり忘れていました。
『天真爛漫2015卒業号』が刊行されていました。
発行日は3月18日。
フルカラー版でとっても出来上がりはよいです。
私たち年寄り組が作るものより遙かに秀逸です。
内容は今年度の文芸部現役の卒業生を送るものとなっています・・・
あれ?
そうですよね、OB会で現役の卒業生を送るのはおかしいですよね。
実はこの号は、現役の卒業ではなく、本来はOBである『リキペディア』の某学校の卒業を記念して制作されるはずだった号です。
ところが、編集担当が当の本人であるリキペディアだったため、自分で自分を祝うことができず(恥ずかしかったんだね)、同年に卒業した現役にエールを送るものになったんですね。
だから私は改めてリキペディアさんに言います。
「ご卒業おめでとう! 社会人になっても頑張ってるよね!」

リキペさん、大分に戻ってきたら、また遊びましょうね・・・

※画像は『天真爛漫2015卒業号』の裏表紙で、作画はどくだみさん。