2013年2月23日土曜日

美しきアルルカンの話(5)

さて、今回から2回連続で『美しきアルルカンは宵闇にタンゴを踊る~黄昏にずっと居たい彼女』の著作を担当した「紺堂了子」さんのコメントを掲載します。
ネタバレも含んでいますが、作者らしい視点での物語についてのうんちくが寄せられています。
【紺堂さんより】今作『美しきアルルカンは~』は、言うまでもありませんが「丸木戸定男」さん原案の『絵里シリーズ』の一作です。前作『偉大なる哲学者達は~』が絵里が高校3年生の5月までを描いたものでした。今回はもう少し時間的に進んだ高校3年生の夏休みから文化祭までが舞台です。
文化祭の場面は、ラストシーンのみですが、主要キャラクターはほぼ登場します、一人を除き。
その一人とは、今回のヒロイン役でした「大島渚」です。残念ですが、彼女は「絵里シリーズ」より退場していきます。劇的で暴力的な描写のもと、別世界で華やかに活躍し始めます。今後、彼女はどこまで悪に染まるのでしょう。「荒井渚」となった彼女は、どのように私の中で動いていくのでしょうか。楽しみなような、少し怖いような・・・
でも、そうなんです・・・彼女、前作よりも活き活きと美しく踊ってくれました。作者である私の思惑やおそらくは原案者である丸木戸さんの予想の範疇もこえて、実にヒロイックに道化てくれました。
だから『美しきアルルカン(道化者)』なのです。
次回は、主題の『~黄昏にずっと居たい彼女』について、解説させていただきます。
(絵は小説の扉絵  作画:シータ)

2013年2月11日月曜日

美しきアルルカンの話(4)

前回の投稿で主要登場人物の「御崎佳子」について少し述べましたが、今回も引き続きです。
話中では、どこか義務的な教師として描かれています。
一方の渚の教師としての姿は、どこか模範的で、頼もしく、キャラが前面にたつ形で描かれています。
タイプとしては対照的ですが、実は物語の後半には同じような苦悩を持ち合わせるようになります。
教師としての「たが」がはずれた渚は、やんちゃで暴れん坊で刹那的な振る舞いに終始し、本来の本能的姿が発現します。
御崎も、口ではお世辞やお弁茶螺を並べますが、見え隠れする本心は、生徒をバカにし自分本位で、同僚すらねたみの対象にする卑しい人間です。
ですが、両者とも最低のギリギリで、教師として、先生として主人公の「若槻絵里」に忠告します。
特に御崎の警告の仕方は、スマートではありませんが、演出からして絵里に危機を知らせています。
残念なことに、御崎は物語前半で活躍が終わります。
ですが登場時には、まさに物語を支えるキーパーソンとなっています。
前半と後半を分けるシーンでの御崎の言葉は、読みごたえ充分です。
さて、今回のカットは前回のθ(シータ)さんのカットの仕上げ版です。
トーンを貼ることで、相当に雰囲気が変わっています。
今回のθ(シータ)さんのカットは、本当に切れています。
さて、本編の掲載されています『天真爛漫56号』ですが、既に多くの方々に配布済みです。
ですが、まだ手にとっておられない会員さんがいましたら、近くの役員か当会へのメールでお知らせ下さい。無料で送付します。