2012年9月7日金曜日

丹波鈴さんと小林はやきさん(2)

前回の記事では、『天真爛漫』54号で丹波鈴さんと小林はやきさんという、すばらしい2名の作家さんの作品を掲載できたことについて述べました。
今回はまず、丹波鈴さんのすばらしさについて書きます。
この号で丹波鈴さんから寄稿していただいた作品は「ヒーローは不敵に笑う」という短編でした。
時代設定は現代で、場所は身近な何処かの家庭。
日常的な会話や事件が起こり、これまた日常的な心情変化があり、ホントにどこかであっているような物語です。
きわめてリアルで、物語の本筋を適度な速さで展開させていきながら、事件の背景をまぶすようにして説明している、非常にオーソドックスな手法で描かれた作品でした。
日常を題材にすると、平凡な話になってしまい、エンターティナー性を著しく欠落させてしまうことが多いのですが、丹波鈴さんはその圧倒的な筆力で見事に面白い作品へと演出して見せています。
当時の編集サイドでは、非常にできのよいホームドラマであり、心地よい読後感を与えてくれるとの評でした。
当然、イラスト担当の私(M和田)にしても、題材からして描きやすく、扉絵と併せて3枚ほどカットを提供しています。
その後、丹波鈴さんからもう一度ほど寄稿をうけたのですが、それ以後にお会いすることができないため作者のコメントが掲載できません、残念です。
さて、次回は一度この話題から離れますが、その後にはかならずもう一人の「小林はやき」さんについて語りたいと思います。
(上の絵は、『天真爛漫』54号掲載の扉絵です)

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