2023年7月29日土曜日

『63号発刊しています!』

 今号から会誌『天真爛漫63号』の紹介をします。

 左の絵は令和2年1月に発刊しました『天真爛漫63号』表紙です。

 表紙絵は55号より9回連続で当会エースの「ごまドレッシング」が担っています。本号も引き続きカラー表紙です。印刷会社さんをプリントキング様を引き続き利用させていただきました。

 63号もこれまでのテイスト(味付け)を引き継いでおり、相変わらずゴチャ混ぜ感の大きい冊子です。令和になって最初の刊行であり、昭和から年号を三つも重ねる冊子となったことは感慨深く感じています。

 また、私が編集した最後の号でもあります。もちろん来原さんへ移譲過渡期のため、来原さんには随所でお手伝いいただきました。

 次回からは内容について触れたいと思います。

2023年7月19日水曜日

『最後の審判』(4)

  再び『天真爛漫62号』に掲載された小説『最後の審判』について話します。

『最後の審判』は、当会随一の作家「紺藤良古」が執筆したもので、作中挿絵と扉絵をθ(シータ)が担当しています。「神楽・弥呼シリーズ」の正当続編です。

 今回も挿絵担当のθ(シータ)さんがラフ絵で登場人物のデザインを寄せてくれています。

左の「神楽」が、そのデザイン画です。

 52号および53号で描かれていた神楽は、設定に基づき女子高生として描かれていました。今号では「大人になった神楽」が登場するためθ(シータ)さんがデザインから起こし直してくれました。

 挿絵やラフ画でもわかるとおり、神楽の基本装束は「巫女服」です。一方の弥呼は基本として「黒い制服」で描かれ、普段着的に修行僧が好む「作務衣」で描かれています。神道と仏教が混在する設定は、舞台である国東半島の「神仏習合」文化を顕しているものと言えるでしょう。

さて、いよいよ次回からは63号について紹介をはじめます!

2023年7月6日木曜日

『夏の真ん中』(3)

 前回に引き続き62号掲載の小説『夏の真ん中』について語ります(3回目)。

 この小説の著者は、当会きっての小説家「紺藤良古」です。作中挿絵を「ごまドレッシング」が担当しています。この二人のコンビは4作目となります。

 左は作中挿絵は、ごまドレッシングによるものです。

 挿絵で描かれている背景は「羊雲」となっています。これは挿絵担当の「ごまドレッシング」が作品を熟読し59号掲載『羊雲』のデジャブ作品であることを勘案して描いた背景です。狙い通りにデジャブ感は満載で「平成雲シリーズ」を通読すると見えてくるひとつのキーワードとして「雲」があるのだと気がつかされます。まさに「ごまドレッシング」によるすばらしい演出です。

 一方、「昭和雲シリーズ」のおぼろげな記憶をたどりながら読んだ私は、別の景色が浮かんできました。『積乱雲』です。前稿でもお伝えしていますが、『積乱雲』は昭和62年刊行の12~14号で連載された「雲シリーズ」最長編作です。現在では入手することはできません。この作品での出来事が、60号掲載『まちぶせ』、61号掲載『いつかのセッション』にも影響しており、もちろん『夏の真ん中』にも大きく関係しています。そのことが脳裏をかすめた私のイメージは「主人公の浩子が最後に掴もうとしたのは積乱雲」ではないかと感じたのです。

 上記のことは、ごまドレッシングさんとは一度話したことがあります。本作中で雲の種類を限定していないため、読者各々の想像に委ねられている部分ではありますが、「昭和雲シリーズ」がベースの私と「平成雲シリーズ」がベースのごまドレッシングさんとでは、やはりイメージが異なるのだと感づかされました。

次回は『最後の審判』に話を戻します。