なんとか今年も発刊できた『天真爛漫』59号ですが、短編小説を4編ほど載せる充実ぶりです。
しばらくの間はそれぞれの作品にスポットを当てて記事を掲載していきます。
初回は「此処に居る」です。
作者は「まつり」現役の学生です。
彼自身、本作は2回ほど改稿しているのですが、そのうちの初稿を今回掲載しています。
思い入れの深い作品らしく、各改稿ともに極小規模な改変で、基本のディティールは変わっていません。
原稿用紙換算枚数は7枚程度の短編で、女子高校生と屋上に居る不思議な存在との刹那的邂逅劇です。
毎号とも紺藤作品を手掛けているθ(シータ)が挿絵と扉絵を担当しています。
作者の若い感性が爽やかに流れる作品ですが、当会会員の講評では意外と厳しく評価されています。
鮮やかすぎる絵画的な作品の作りこみは、近年のリーダビリティー主義の小説群とは一線を画すのですが、手法的には昭和50年代に流行ったもののため、壮年層には厳しく見られたというところだと思います。
次回も本作についての記事を掲載します。
※画像は扉絵
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